■庶民の憧れ・・・ベンツ
自動車を運転する人にとって、『ベンツ』という言葉は特別な響きを
持っていると感じます。
販売価格はもちろんのこと、維持費も国産車より高く、お金持ち
だけが乗ることを許される乗り物であるように思われます。
実際にクラスによっては販売価格が1千万円以上し、中には
3千万円以上するようなものもあり、一般庶民にとっては到底手の
出る金額ではありません。
しかしベンツには様々なクラスがあり、比較的排気量の小さい
AクラスやBクラスなどは新車でも300万円台からであり、「smart」
という2人乗りの小型車であれば100万円台から購入することが
できます。
また維持費に関しても、燃費が同クラスの日本車と比べて悪いわけ
ではなく、車検や税金などの法定費用はもちろん日本車と同じに
なります。
故障した場合の修理費が日本車比べて割高となることが「維持費が
高い」という印象を与えているものと思われます。
修理費が割高なのは確かかもしれませんが、エンジンオイルの
交換ぐらいであれば大手自動車部品販売店でも可能ですし、
外国産車は日本車に比べて故障が多いイメージがありますが
ベンツに限っては日本車と同等以上に頑丈であり、頻繁に故障する
わけではありません。
■ベンツのメンテナンス
では、ベンツ本来の性能を長く維持するためにはどのような
メンテナンスをすれば良いのか、故障しやすい部品と症状を見て
いきたいと思います。
まず電装関係ではドアミラーが挙げられます。
とりわけ壊れやすい部品で、ミラー内部のショートによって他の
電装関連部品に不具合を起こします。
ミラー作動の反応が悪くなり始めたら要注意で、リセットがきかない
場合には交換、配線の修理が必要となります。
次にオルタネーターですが、バッテリー警告灯が点灯したり度々
バッテリーが上がることがあれば、このオルタネーターの発電量と
漏電の点検をしましょう。
そしてシートスイッチですが、これには故障の前兆が全く無く、ある日
突然シートスイッチの反応が悪くなります。
特に使用頻度の高い運転席が故障しやすいのですが、修理が
きかない部品であり、故障した場合には部品交換となります。
またモニターに関しても故障の前兆は無く、スイッチが入らなくなって
しまいます。
モニター本体の故障であることが多く、その場合は交換するしかなく、
新品と交換すると工賃と合わせて数十万円かかることもあります。
続いて足回りですが、安全性に関わる部分であるので完全な状態を
保っておく必要があります。
まず車高が下がり始めたり、左右前後でバランスが取れていない
場合にはサスペンションかショックアブソーバーに不具合があると
思われます。
そしてブレーキは、ブレーキオイルとブレーキパッドに注意しましょう。
オイルは漏れが無いかを確認しておき、パッドに関してはブレーキを
踏む度に音が鳴るようでは遅いぐらいなので常に気を付けておく
必要があります。
またブレーキパッド交換の際には、ベンツ純正の新品部品を必ず
使用してください。
続いて駆動関係ですが、これらは自動車の心臓部であり、何か
あった場合にはすぐに走行出来なくなってしまうので、普段から
十分に管理しておきましょう。
まずエンジンのメンテナンスは、エンジンオイルと冷却水の管理が
重要ですが、その循環経路となるパイプやホースの類もチェックして
おく必要があります。
特にジョイント部やゴム部品の劣化に注意しておきましょう。
またマフラーが劣化している場合には、詰まった状態となり排気が
出来なくなり、エンジンのパワーが抑えられることになります。
エンジンの回転が悪くなった時には、マフラーの詰まりということも
考えられます。
とにかく、エンジン音に異音が混じっている場合には即座に点検を
受けるようにしてください。
そして操作関係となるステアリングですが、自動車を運転する上で
非常に重要な部分であるにもかかわらずその認識が薄く、エンジン
などと比べてメンテナンスをする人が少ないようです。
初期不良の状態では、ハンドルを回すとかすかにではありますが
異音がします。
点検・確認には自動車をリフトアップする必要があるので、入庫した
際にはついでに点検してもらうようにしておくと良いかもしれません。
■ボディの修理は・・・
自動車をぶつけたり、擦ったりした場合には板金・塗装ということが
必要となります。
板金に関しては日本車と変わることはないと思いますが、塗装に
関しては同じ色に見えてもメーカーごとに微妙に違うことが多いので、
下手をすると塗り直したことが丸わかりになってしまいます。
よってベンツに限らず外国車の場合は、修理実績のある工場を
選んだ方が良いかもしれません。
また外国車にもリサイクルパーツがあります。
新品と比べると再び交換するリスクと頻度は高くなりますが、費用は
かなり抑えることが出来ます。
身の丈にあったクラスを選べば決して高嶺の花ではなく、ベンツの
オーナーになることも夢ではないと言えるかもしれません。