■廃車か買取か
自動車を処分しようとするとき、年式が古かったり走行距離が多いと廃車するべきか買取
に出すべきかを迷います。
自分で廃車手続きを行った場合、掛かる費用は手数料として数百円、自動車税、自動車
重量税、自賠責保険の未経過分が月割り計算で返ってきます。
返ってくる金額は、自動車の排気量や重量、未経過分がどれだけ残っているかによって
変わってくるので一概には言えませんが、少なくとも数千円~と考えられるので、廃車に
掛かる費用を引いても手元にお金が残ります。
ただし、陸運支局での廃車手続き、県税事務所での自動車重量税の還付手続き、
保険会社での自賠責の返戻手続きを自分でしなければなりませんし、車体を無料で
引き取ってくれる業者も探さなければいけません。
(自動車税は廃車後、手続きをしなくても自治体から案内が来ます。)
しかも、陸運支局や県税事務所は平日のみの受付けだし、保険会社の手続きや業者を
探すのも手間が掛かり、それで返ってくる金額が数千円だと考えると割に合わないように
思います。(返ってくるのが数万円ならやろうとも思いますが・・・。)
じゃあ業者に買い取ってもらう方が、買取金がある分トクなのでは、と普通は思います。
しかし、年式が古く走行距離が多くあまり人気の無い車種となると買取査定額がゼロという
ことも珍しくはありませんし、中には2~3万円の査定額が付くこともありますが、
その場合でも名義変更や還付金などの手続きの手数料として同程度の金額を取られる
こともあります。
さらに自動車を売却した場合には、自動車税は還付されますが自動車重量税は還付
されませんし、自賠責保険の返戻もありません。
業者に査定をしてもらい、買取金額が数万円~数十万円あるならば金銭の面でも手間の
面でも買取してもらう方が良いですが、そうでないのであれば、自分で廃車にした方が
手元に残るお金は多くなります。
ここで気を付けなければいけないのは、まず自動車税、自動車重量税、自賠責保険の
未経過期間が1ヶ月に満たない場合には還付されず、さらに軽自動車の場合には
自動車税の還付自体がありません。
■車検が残っている
金額だけを比べると買取に出すよりも自分で廃車手続きをした方が良いように思いますが、
もし自動車の車検期間が残っているならば買取に出した方が良いかもしれません。
そもそも車検が残っているか否かで買取査定に差があるのでしょうか。
車検の有効期間が1年以上、年単位で残っていると多少買取査定に影響があるよう
ですが、1年未満であればそれほど大きな影響を与えないようです。
何故なら、買取業者の多くは自社で修理工場を持っているか、提携している工場がある
ので、安く車検を受けられます。
さらに買い取った車がすぐに売れれば問題ありませんが、どうしてもある程度の在庫として
の期間が発生し、その内に車検の残期間が減ることになるので、車検の有無が買取査定
に大きな影響が無いということのようです。
とは言えやはり、車検の有無によって販売する際の価格に影響があるので1年以上
車検が残っていると買取査定額が高くなるようです。
自動車を買う場合には、車体の金額にプラスして登録手続きなどの諸経費が掛かります。
例えば100万円の車検有りの自動車なら、消費税手数料込みで110万円ぐらい掛かる
ことになります。
同じ値段で車検無しの場合には、さらに車検代として10~20万円掛かることになり、買う
方としても車検有りに比べて割高感を感じます。
車検の有無で販売店が損をすることはありませんが、車検が有る方が早く売れる可能性が高く、さらに在庫として置いておく期間が短くなることで自動車の傷みが少なくて済む
ということでお客さんに勧めやすいということも、査定が高くなるのに関係しているのかも
しれません。
■結論は・・・
最近では、ネットで査定してもらえたり、店舗に持ち込んでも無料で査定してくれる業者
などもあるので、どんなに年式が古くても、走行距離が多くても査定してもらって損は無い
と思います。
結果、思わぬ高い査定額が出るかもしれませんし、最悪ゼロであったとしても自分で廃車
の手続きをすれば幾らかはお金が返ってきます。
中には廃車の買取を専門で行っている業者があり、どんな状態の自動車であっても
数千円~で買い取ってくれる上、自動車税や自動車重量税の還付金、自賠責保険の
返戻金を全額もらえるようです。
手間は掛からず、お金はたくさん戻ってくるというような夢のような自動車の処分方法は
なかなかありません。
手間と時間を掛けて出来るだけお金が戻ってくる方法を取るか、手間と時間を掛ける
ぐらいならお金で解決する方法を取るか、どちらにしても後でソンをしたと思わないように
十分考慮してください。