■事故車って?
自動車の買取や下取り査定の際に重要になるのが、事故車で
あるか否かということです。
事故のあるなしによって買取価格は数十万円違ってくることもある
そうです。
中古車販売店は事故修復歴を明らかにしておかなければならず、
実際に中古車情報誌などを見ても自動車毎に修復歴の情報が
載っています。
■事故車の定義
ではこの「事故車」とはどのような自動車のことを言うのでしょうか。
正確には「修復歴車」と言い、「事故車」というのは俗称で査定士
などは使わないそうです。(お客さんに対して分かりやすく説明する
ために使うことはあるようです。)
どんな小さなキズでも修復していれば修復歴車になってしまうのかと
いうと、それは違います。
自動車の骨格となるような部分を修理したり交換したりした場合に
修復歴車となります。
具体的には、フレーム・クロスメンバー・インサイドパネル・ピラー・
ダッシュパネル・ルーフパネル・フロア・トランクフロア・ラジエータコア
サポートの9箇所です。
それぞれの詳しい説明は省きますがいずれも自動車の骨格部で
あり、これらの内1箇所でも修理や交換が行われていれば
「修復歴車」となってしまいます。
転けただけで簡単に人の骨が折れないのと同じで、これらの
骨格となる部分はボディやバンパーで守られていたり、かなり強度を
持たせてあったりして少々の事故では損傷しないように出来て
います。
要するに運転手も無事では済まないような大きな事故を起こさない
限り、これらの部分を修理・交換するようなことは無いということで
あり、それ以外の部分の修理や交換は修復歴にならないということ
です。
よって壁に擦って出来たドアのキズを板金・塗装で修理したところで
修復歴にはならず、後続車に追突されてバンパーがヘコんだと
してもトランクにまで影響がなければバンパーを交換しただけであり、
修復車とならないのです。
ただ勘違いしてはいけないのは、修復歴にならないと言っても買取
や下取りの査定に影響が無いわけではなく減額となってしまうことも
あります。
■正直に言った方が良い?
売る側としては1円でも高く買取ってもらいたいと思うのは
当然ですが、査定する側は仕事であり、買取った自動車が
売れなければ商売にならないので出来るだけ安い値段を付けようと
します。
ドアやバンパーの交換は修復歴になりませんが、査定士の中には
自動車の持ち主が無知であることを逆手に取って「事故車になる」
(修復歴車とはあえて言わない)と鬼の首を取ったかのように
主張する人もいます。
大半の場合が安く買い叩くための口実として言っているのですが、
中には中古車査定士の資格をもっておらず、修復歴車の定義を
知らずに言っていることもあるようです。
よって修復歴についての知識がちょっとあるだけで必要以上に
減額されることは無くなりますし、値段交渉の際にも少しは役に
立つと思います。
では、査定を受ける際には修復歴やそれ以外の修理・交換した
ことを伝えておいた方が良いのでしょうか。
「どんな細かいことも全て伝えておかなければならない」と「プロが
査定するのだからこちらが伝えずとも修復歴などは見逃すはずが
なく、万が一見逃したとすれば査定した側の責任」という相反する
意見があり、伝える伝えないは売る側の判断ということになります。
しかし自動車を引き取った後に再度検査をするので、査定時に
見逃されていたとしても必ず発覚してしまい、またそういう場合に
備えて買取の契約書には「後で修復歴が見つかった場合には
返金する」旨のことが書かれています。
このように後から修復歴が見つかった場合には、最初の査定に
見つけられない査定士に問題があるようにも思いますが、買取契約
自体を破棄されることがあり、悪質だと判断された場合には訴訟に
まで発展することもあるので気を付けてください。
■高く売るには・・・
以上のように修復歴について多少の知識があれば無駄に安く
買い叩かれるということはなくなると思います。
また査定士が修復歴についていい加減なこと言うような業者は
信用出来ないという判断材料にもなります。
とはいえ修復歴のある自動車を高値で買取ってもらうというのは
難しく、所有者も「事故車だから・・・」と諦めがちです。
しかし全国には数多の買取業者があり、それぞれ扱うのが得意な
車種やグレードは違います。
修復歴車は日本国内では高値で取引されることは少ないですが
海外では修復歴を気にしないところもあり、中古車の輸出ルートを
持っている業者なら高く買取ってくれることもあるのです。
しかし何のツテもない素人がそのような業者を簡単に見つけることは
ほぼ不可能なので、インターネットの一括査定を活用するなど
複数の業者に査定してもらうと高く買取ってくれる業者が見つかり
ます。
ひょっとすると新しく買う自動車のオプションが増えるかも
しれませんよ。