■少しのキズでも・・・
自動車に乗っていると少しのことでキズがついたり、へこんで
しまったりします。
車庫入れの際にバンパーを壁に軽くぶつけてしまったり、狭い
路地を曲がろうとして側面を擦ってしまったりなど、無傷で何年も
乗り続けることの方が不可能に近いのです。
しかし自動車を売る際には、このようなキズやへこみが減額ポイント
となってしまい、買取金額を下げるのも事実です。
例えば、爪に引っかからないような薄い擦りキズであっても数千円
の減額となりますし、塗装のみで消えるようなキズの場合には
2万円~4万円、板金まで必要な場合には3万円~8万円程度
減額となってしまいます。(キズの程度や大きさで変わります。)
さらに交換が必要な(又は既にしている)場合には10万円を越える
減額の可能性もあります。
またボディカラーがパール系やメタリック系の場合には、塗装費用が
単色系よりも高いためにキズによる減額幅が大きくなってしまいます。
■キズやへこみは直すべき?
先に書いたように少しのキズであっても買取査定では減額されて
しまうのであれば、査定を受ける前に直してしまったほうが
いいのでしょうか。
ある書籍によると、オークションで約5万円の値段が付いた自動車を
コーティングしてから再度オークションに出してみると20万円近い
値段が付いたそうです。
これはコーティングが大事だと言いたいわけではなく、外装が
キレイか否かでこれだけ値段が変わってしまうということです。
こうなると益々、査定前にキズはキレイにしておいた方が高い
値段で売れるように思えてしまいます。
もちろんキズが全く無いに超したことはありませんが、直すことに
よって逆に損してしまうこともあるのです。
小さなキズを市販のキズ消し剤で消したりタッチペンで塗ったり
することで、その部分が汚くなってしまい、キズがあったことを
目立たせることになってしまいます。
また塗装や板金が必要な場合は、直しておけばもちろん査定は
上がりますが、塗装や板金となると費用は数万円掛かることは
珍しくないので、直したことによる上げ幅よりも修理費用の方が
高くなってしまう可能性があるのです。
また車内の汚れや臭いも査定がマイナスになる要因ですが、業者に
クリーニングを依頼すると、その費用は少なくとも数万円掛かって
しまいます。
いずれにしても結果的に損をする可能性が高いので、修理や
クリーニングをする前に、一度査定を受けた上で業者にキレイに
したらどのぐらい査定額が上がるのかを聞いてから判断するように
しましょう。
■査定の際に気をつけること
査定を受ける前にキズを直す必要はあまりありませんが、最低限の
マナーとして簡単にでも洗車はしておきましょう。
ボディが汚れていると査定に時間が掛かる上、査定する側は
キズなのか汚れなのかを注意深く見るので、より細かいキズまで
見つけられる可能性があり、結果こちら側が損をすることにも
なってしまいます。
また車内もある程度の整理と掃除をして、臭いなどもチェックして
おきましょう。
ペットやタバコの臭いが染みついてしまっている場合には、消臭剤を
使ったり、洗剤と水洗いで内装を洗い水が吸える掃除機で吸い取る
などして少しでも臭いが薄くなるようにしておくと良いでしょう。
消臭剤を大量に置いて、外気導入でエアコンをMAXにしてしばらく
置いておくとエアコンの消臭になります。
洗車や車内の清掃をしたことが直接査定アップに繋がることは
ありませんが、丁寧に扱っていたことのアピールにはなり、査定士に
好印象を与えることが出来ます。
それから一番大事なこととして、部品の修理や交換、外装のキズ
消し、へこみ修理などをしている場合には、査定の際に隠さずに
申告しておきましょう。
少なくとも「どこか修理した箇所は?」と聞かれたら素直に答える
方が良いと思います。
なぜわざわざ自分が不利になるようなことを言わなければ
ならないのかと思うかも知れません。
しかし言われなければ分からないぐらいキレイに直してあれば、
そのキレイに消えたキズを理由にマイナス査定をされることは
まずありません。
また部品の交換はもちろん、へこみの修理やキズ消しのための
塗り直しも見る人が見れば分かるので、隠していても見つかって
しまうことの方が多いのです。
隠していたキズが見つかると、他にも隠されたキズがあるのでは
ないかと厳しく探されることとなり、そこでまた見つかるとさらに
注意深くなってしまう、という悪循環になります。
自分に不利なことを申告することで、査定士と円満な関係を築いて
おきましょう。
そうすれば、キズを見逃してもらうことは出来ないでしょうが、
プラス査定を少し多めに見てもらえるかもしれません。