■軽自動車の買取
女性でも扱いやすく、長らく続く景気低迷の影響もあって普通車と比べて低価格で維持費も安い軽自動車は高い人気を誇っています。
しかし普通車よりも劣化が早く、売却の際には思うような高値では売れず、金属部分が少ないために解体してもお金にならないと思われていることでしょう。
確かに以前であれば、5年落ちで走行距離が4~5万kmを越えた軽自動車は価値がありませんでした。
ところが現在では、メーカーの目覚ましい技術力向上により、10年落ちや走行距離10万kmを越えていても走行には何ら影響がなく、高値で買取してくれたりもするのです。
昨今人気のコンパクトカーなどは、3年で中古車相場は新車価格の半値以下になってしまいます。
しかし軽自動車は中古としても人気が高い分値段も落ちにくく、5年落ちや走行距離5万kmであっても新車価格の半値以上で取引されるのです。
■売り先を間違えるな
国内だけでなく海外でも人気が高く、需要の多い軽自動車ですが、どこでも同じ様な高値で買取してくれるわけではありません。
軽自動車の特徴として、普通車よりも業者間での買取額の差が大きくなることが上げられます。
軽自動車の買取を専門に行っている業者から軽自動車だけ買取後の販売ルートを持っていない業者まで、売る側から見れば玉石混淆なのです。
それだけに売り先を間違うと損をすることになってしまいます。
特にディーラー下取りに出すと、相場よりかなり低い査定額を提示されます。
これは、通常の買取業者であれば直近の中古車オークション相場を参考に査定額を決めているので、日々その価格は変動しており、人気のあるなしが査定額に反映されますが、ディーラーではメーカーごとに下取り基本価格が事前に決められており、その更新も年に数回しか行われていないことが原因です。
またディーラーの査定には、軽自動車の法定耐用年数4年を経過しているとその価値は「ゼロ」という基準があるため、これも相場とかけ離れた査定額が出る原因と言えます。
最近では、軽自動車を専門に買取っている業者があったり、大手買取業者でも軽自動車の買取に力を入れているので、最初から売り先を一つに決めずに色々な業者で査定してもらうと良いかもしれません。
■軽自動車査定のポイント
業者が査定をする際に注目しているポイントがいくつかあります。
年式や走行距離は査定額を決める際に基準となるポイントですが、先にも書いたように10年落ちでも10万km走っていてもなんら走行に影響は無く、走行距離が極端に少なくても逆にエンジンに悪影響を及ぼす場合があるので査定アップのための交渉材料には向いていません。
キズやヘコミについてはマイナス査定となる部分だけに直しておきたいと思うかもしれませんが、例え小さなキズであっても板金・塗装を必要とする場合にはその修理費用はかなり高額になります。
それだけ費用掛けて修理したところで、査定増額分が修理費用を越えることはほとんど無いので、自分で消せないキズはそのままにしておいた方が良いと思われます。
それから意外に見落としがちなのはボディカラーです。
赤や黄色、ピンクなどは女性に人気のカラーですが、このようなカラフルな色は好き嫌いがはっきりしているのでプラス査定とはなりにくいようです。
プラス査定になり得るのは、白や黒、シルバーなどのいわゆる定番の色です。
購入後にボディカラーを変えることは簡単ではないので、もし将来的に買い替えることを念頭に置いている場合にはカラーにも気を付けて購入するようにしましょう。
そして忘れてはならないのは、自動車の取扱説明書や整備手帳、保証書、スペアキーなどの付属品です。
普段めったに目にすることのない物ですが、買取査定においては大きな比重を占めており、無いからといって大きく減額されるわけではありませんが、全て揃っていれば大きなプラスポイントとなるのです。
またオーディオやカーナビなど社外品を取り付けている場合には、それらの取扱説明書も付けておくとより効果的です。
■キレイに超したことはない
様々な情報を集め、自分の軽自動車の価値を知り、いざ査定に・・・とその前に査定でより高値を引き出すためにやっておくべきことがあります。
それは、洗車と車内清掃です。
「どうせ買取後に業者がクリーニングするし、洗車したところで査定額は上がらない」や「細かいキズが目立ってしまうから洗車してはダメ」というような意見もあります。
しかし査定する側も人間ですので、汚いものを見せられるよりはキレイなものを見る方が気持ちが良いでしょうし、大事に扱われてきた自動車だという印象を与えることも出来ます。
ワックスもかけ、カー用品店で手に入るキズ消し剤などでドアノブ周りの小さなキズを消し、これもカー用品店で買えるツヤ出し剤で白っぽくなった窓周りのゴムやプラスチックなどを拭いてやると、さらに印象がよくなります。
ただしキズ消し剤を使用した場合には、逆にキズを付けてしまうこともあるので気を付けてください。
低年式車や過走行車を買取ってもらうことは難しいことかもしれませんが、軽自動車の場合、その人気は思っている以上に高くまたその需要も非常に多くあります。
諦めずに試しにでも査定を受けてみれば、言い方は悪いですが、ガラクタだと思っていた軽自動車がお宝に化けるかもしれません。