■廃車したい、でもナンバーが・・・
県を跨いで引っ越しをしたものの、自動車は以前のナンバーの
ままで乗っていることってよくあると思います。
通常であれば県外に限らず、県内の引っ越しであったとしても
自動車登録を管轄している陸運支局が変わる場合には変更登録を
する必要があります。
例えば、大阪府には「大阪」「なにわ」「和泉」の3つの陸運局があり
(もう一つ「堺」ナンバーがありますが、管轄の陸運支局は「和泉」に
なります。)、大阪陸運局の管轄である池田市内からなにわ陸運局
の管轄である大阪市内に引っ越した場合には、大阪府内の引っ越し
であっても、なにわ陸運局で住所変更の手続きをしなければ
ならないのです。
とはいえ、日常生活で自動車を使用する分には、実際の住所と
車検証の登録住所が違うからといってなんら不都合があるわけでは
ないので、ついついそのままにしてしまうこともあると思います。
しかし、道路運送車両法によって、住所に限らず車検証の内容に
変更が生じた場合には、15日以内の変更が義務づけられており、
罰則として「30万円以下の罰金」となっています。
また、自動車の保管場所の確保等に関する法律においても
自動車の保管場所を変更した場合は、15日以内の届出が必要で、
罰則として「3ヶ月以下の懲役又は20万円以下の罰金」となっており、
道路運送車両法と併せて処分される可能性もあるので、住所変更は忘れずにしておきましょう。
では、他県ナンバーのままで事故を起こしてしまい自動車を廃車に
しなければならない場合には元の管轄の陸運局まで出掛けなくては
ならないのでしょうか。
結論から言えば、住所の変更をしていなくても、今住んでいるところ
の管轄陸運局で廃車手続きをすることが出来ます。
「移転抹消(または転入抹消)」という手続きをすることで廃車にする
ことが出来ます。
通常の廃車手続きに少し書類が増える程度のことで、それほど
難しいことではありません。
費用は、申請書の購入代金と手数料で500円程度で済みます。
そして当然のことですが、抹消登録が前提の移転登録ということに
なるので、車庫証明や自動車税などの申告書は必要ありません。
ただし一つ気を付けなければいけないのが、この「移転抹消」を
する際には転居先での住所を証明する書類が必要となります。
原則的には住民票や戸籍謄本、印鑑証明などということになるので
住民票を転居先に移している必要がありますが、陸運局によっては
3ヶ月以内の公共料金の領収書などでも対応してくれることあります
ので、手続きの際は各陸運局に確認してから書類を揃えてください。
■還付金は?
ナンバープレートを返納するだけの一時抹消登録でも車体の解体を
伴う必要がある永久抹消登録でも自動車税の還付、さらに車検が
残っている場合には自賠責保険の返戻も受けることが出来ます。
自動車重量税に関しては、永久抹消登録と同時に還付
手続きをする必要があるので、一時抹消登録の場合は還付が
受けられません。
自動車税の還付手続きは、通常、抹消登録をした時点で自動的に
行われたことになり、2~3ヶ月後に自治体より通知書が送られて
きます。
自賠責保険の返戻は契約している各保険会社に対して請求する
ことになり、自動車が公道を走れない状態にあることを証明する
書類が必要となります。
その書類は、登録識別情報等通知書や登録事項等証明書、
解約事由証明のいずれか1通で、陸運局で交付してもらうことが
出来ます。
■業者に頼むと・・・
廃車の手続きが煩わしいし、時間が無いという場合には業者に
依頼することも出来ます。
費用は業者ごとに違いますが、中には廃車の手続き(移転登録を
含む)から解体、還付金や返戻金の手続きまで全て無料で行って
くれるところもあります。
また、廃車を買取ってくれる業者もあり、お金を払うどころかお金が
もらえることもあるのです。
しかし、無料だと思っていたのに後で代金を請求されたとか、
もらえるはずの還付金や返戻金がもらえないといったこともあります。
例えば無料のはずが後で代金を請求された場合では、車両の
引取は無料だが、解体や手続きの代行には料金が発生すると
いうことが考えられます。
さらに還付金に関しては、自分としては自動車が解体されるもの
として引き渡したのに、業者側は中古車として引き取っているということが考えられます。
いずれの場合も、両者の認識のズレから生まれた問題であって、
決して業者が騙しているわけではありません。
このようなことがないように、事前に業者とよく話し合いどこまでが
無料なのか、この自動車はどのように処分されるのかなどを
ちゃんと確認しておきましょう。
■後学のために
住所変更や廃車の手続き、さらには還付金などの請求は煩わしくは
ありますが、難しいものではありません。
尋ねれば陸運局でも書類の書き方から手続きの手順まで丁寧に
教えてくれますし、費用も数百円しか掛かりませんので、もし時間が
あって後学のためにと思うのであれば、是非自分でこれらの手続き
に挑戦してみてください。