■廃車を買取って儲かるの?
その昔、自動車は一家に一台であり、新車購入から次に買い替える
まで10年15年と乗り続け、走行距離も10万キロなんて当たり前
だったような気がします。
中古車と言えば値段は安いけれども、その分程度があまり良くなくて
信頼性も低く、乗れてもせいぜい2~3年という感じで、「安物買いの
銭失い」の典型のように思われていました。
実際私の親父も一時期、車検の度に中古車を買い替えていた
ことがあり、よく母親に怒られていました。
今では、自動車は一人一台で買い替えのサイクルも速く、中古車
販売店に行くと購入後5年でも10年でも乗れそうなほどの自動車が
たくさんあり、さらには「1グレード下であれば新車が買える値段
じゃないか」というような高額な自動車も置いてあったりします。
中古車市場が拡大して、今や自動車を買い替える時は下取りに
出すのではなく、中古車買取専門店に売るという人も多いのでは
ないでしょうか。
しかしそんな中古車買取専門店の中に、他の買取店では値段が
付かなかったり逆に処分費用を請求されるような自動車であっても
買取ってくれるところがあるのです。
俄には信じられないことで、あとでトラブルに巻き込まれたりする
のではと思う人もいることでしょう。
では、このような廃車同然の自動車を買取ってくれる業者は
どのように利益を上げているのでしょうか。
■中古車として再販
事故車や不動車などを中古車買取店に買取ってもらえない理由と
しては、中古車として再販するための修理代が販売価格に転嫁
出来ないほど高額になるからです。
しかし廃車買取業者は自社の整備工場を持ち、高い技術をもつ
整備員が修理することにより費用を低く抑えることが出来、中古車
として市場で再販することが可能なのです。
さらにこうして修理した自動車や日本では敬遠される古い年式や
走行距離の多い自動車を海外へ輸出することもあるようです。
海外特に新興国では、日本人が思う以上に日本車への信頼度が
高く、また日本では大衆車であっても海外ではステータスの高い
高級車と認識されている場合もあるようで、日本の市場だけでなく
海外を相手に商売することで利益を上げているようです。
■解体してパーツに
自動車を自動車として売ることが出来るに超したことは
ないでしょうが、どうしても無理な場合には自動車を解体して
パーツや部品として販売しているのです。
カーナビやカーステレオはもちろんのことタイヤにシート、エアロ部品
やインテリア、ステアリングなどをそれぞれ販売しています。
街中でドレスアップした自動車(悪く言えばヤン車)を見かけることが
あると思います。
あのドレスアップを全て新品で行うととんでもない金額になるので、
中にはこのような中古パーツや部品を買っている人もいるのです。
そして日本車は先に書いたように中古車だけでなく、当然新車も
輸出されています。
新興国などでは日本以上に自動車は高価なものであり、簡単に
買い替えることは出来ず、何十年も同じ自動車に乗り続けることに
なることもあります。
いくら日本車が丈夫であるといっても、何十年も乗り続けようと
思えば、頻繁に修理をしなければいけません。
しかし海外の業者が日本のメーカーから直接パーツや部品を
取り寄せる費用はバカにならず、また古い年式の車種によっては
メーカーに在庫がない場合もあります。
そこで中古パーツや部品を扱っている業者の出番というわけです。
さらに日本国内でも、ヴィンテージ車やレストア車に乗っている
人がおり、その修理にはメーカーではもう取り扱っていない部品が
必要となります。
そんな時にも中古パーツや部品が重宝されることになり、国内外
問わず需要が多いことが分かります。
■怪しい業者ではない
最初にも書いたように、廃車を買取ってくれる業者と聞くといかにも
怪しいような気がしますが、決してそんなことは無いのです。
直せないものでも直してしまうほどの高い技術力がある整備工場を
持っていたり、中古車だけでなく中古パーツの販売ネットワークを
国内外に広く持っていたりと、怪しいどころか逆に、他の中古車
買取店に無いものを持っている業者なのです。
中にはごく稀ではあるものの悪質な業者もあるので
気を付けなければいけませんが、中古車買取店でも値段が付かず廃車にしようか迷っているのであれば、一度廃車買取業者に
見積りを依頼してみる価値はあると思います。
見積りだけなら無料でしてくれる業者も多いですし、このような
業者に一括で見積りが取れるサイトもあったりします。
無論、気に入らなければ断ることも出来るので、是非試してみて
ください。
処分するのに費用が掛かると思っていた自動車が思わぬ高値で
売れるかもしれませんよ。