■自動車税って?
自動車を所有していると、毎年5月に自動車税の納税通知書が送られてきます。
長年自動車を所有している人は、この時期までにあらかじめお金を準備していて、
納税通知書がいつ送られてきても払える状態であることがほとんどだと思います。
しかし初めて車を買った人や排気量の大きな車へ乗り換えた人は、納税通知書が届いて
初めてその金額を知る、ということもあるかもしれません。
では、そもそも自動車税とはどういうものなのでしょうか。
自動車税は、毎年4月1日時点で自動車の保有者に対して課せられる税金で、
普通自動車の場合は各都道府県に、軽自動車の場合は各市町村に納めることに
なります。
その税額は、自動車の種類(乗用車やトラック、軽自動車など)や用途(自家用か
業務用か)、排気量の大きさなどによって決められています。
当然、排気量が大きくなるほど税額は高くなるので、例えば軽自動車(5ナンバー、
自家用)から3000ccクラスなどに乗り換えると自動車税は約8倍もの金額になります。
話は逸れますが、自動車の所有者には自動車税以外にも様々な税金が課せられて
います。
例えば、自動車重量税、自動車取得税、燃料への課税(ガソリン税など)、さらに自動車
購入時や燃料購入時に掛かる消費税などです。
中でも自動車重量税に関しては、課税要件が「自動車の保有」で自動車税と同一である
ことから二重課税との指摘もあり、自動車産業衰退の原因であると一部で問題視されて
います。(ちなみに自動車重量税は国税です。)
話を元に戻して、あらかじめお金が用意出来ておらず、自動車税がどうしても期限までに
払えそうもない場合にはどのように対処すれば良いのでしょうか。
■自動車税は分割納付出来る
意外に知られていませんが、自動車税は分割で支払うことが出来るのです。
県税事務所などのサイトを見ても分割納付の文字は出てこないので、推奨されている
納税方法ではなく、一括払いが原則であると思われます。
しかし、個別事案として窓口で相談することにより分割納付を認めてくれる場合があります。
(自治体によっては一切認められないこともあるので注意してください)
電話連絡のみでも取り扱ってくれますが、こちらがお願いすることなので、窓口まで
出向いて一回の支払金額や支払い回数などを相談する方が良いと思います。
ただし、車検までに自動車税を完納してしまわないと車検が受けられなくなるので、支払い
回数を決める際には注意が必要です。(5月中に車検が満了する場合には前年度の納税
証明書で車検が受けられます。)
また、軽自動車税は普通車に比べれば金額が低くなっており、その金額も最大7千円
程度であることから分割納付は出来ません。
■納付しないと・・・
自動車税を期限までに納付せずにいると、延滞金が掛かってきます。
最初の1ヶ月は年利約3%で、2ヶ月目以降は年利約9%の延滞金が発生します。
また、自動車税納付の督促状を無視していると、最終的には預貯金や自動車が
差し押さえられたり、さらには勤務先へ連絡が行き給料を差し押さえられることもあります。
勤務先に自動車税を支払っていないことが通知されると、社会的な信頼を失いかねない
ので、分割納付するというのも一つの手段かもしれません。
それから自動車税の未納によって、先に書いたように車検が受けられなくなったり、
名義変更も出来なくなります。
ただし廃車に関しては、自動車税を納付しているかどうかに関係なく手続きすることが
出来ます。
廃車した翌月以降については自動車税を払う義務はありませんが、4月1日から
廃車した月までの自動車税は支払わなくてはいけません。
また2年以上自動車税を滞納している場合には、県税事務所などによって「嘱託保存」
という形で抵当権が設定されてしまい、滞納分を全額納付しない限り廃車すら出来なく
なってしまいます。
このように自動車税を滞納したところで、手間・時間・お金が余計に掛かるだけで何一つ
良いことは無いのです。
■滞納しないために
自動車税を滞納しないための一つの方法として「納税準備金」を積み立てておくのも
良いと思います。
「納税準備金」とは、自営業者や個人事業主などが翌年の納税のために毎月資金を
積み立てておくものですが、それに倣って積み立てをしておけば、いざ支払いというときに
お金が無いという事態は避けられます。
自動車税を一括で支払うとなると数万円ですが、1年間毎月積み立てるとすると1ヶ月
当たりは数千円で済むのでそれほど厳しい金額ではなくなります。
自動車を所有するという権利を行使しているので、その代わりに何かを我慢する必要が
あるかもしれませんが、自動車税の納付という義務はちゃんと果たすようにしましょう。